熊さんブログ vol.18「社会人最初の3年間(その1)」

(有)Lプランズ 竹熊です。

今回からは私が社会人になってからの3年間について書かせていただきます。

よく3年以内に会社を辞めるかどうかの岐路に立つという話を聞きます。
そんな私は前の会社で約7年2ヶ月働きました。
確かに3年目にはそういう迷いもあったのかなと今振り返ってみると思うところがありますので、そのことも書きたいと思います。

またまた私個人の過去話になりますが、参考程度に読んでいただけましたらありがたいです。

さて今から21年前、私は大学を卒業して電気工事会社に就職しました。

入社する前、私には一つだけ必ず達成したい目標がありました。
それは「誰もが知るような大きな建物の現場に携わる」
というもの。

知識もない、体力もない、経験もない全くゼロからのスタートにも拘らず、目標だけは生意気だったなと思います(笑)

入社した会社は建築電気設備工事において九州では二番目、従業員の規模は450人くらいの中堅企業でした。

私は大学でも電気や建築の知識を学んでいないこともあり、まずはその当時福岡で最も大きなプロジェクトである「下川端地区再開発事業←後の博多リバレイン」へ電気工事士の見習いをするようにと言われました。

いきなりの大型物件です。

「よし、いきなり目標達成できるぞ!!」
当然そう思いました。

が!!

世の中そう甘くはありません。

まず思い知ったのは、どれだけ自分が「使えない人間」だったのかという事実。

今まで学んだ電気の知識と言っても理論上の回路が少し理解できる程度。

実際工事を行う上で本当に必要な電気工事材料、工具、施工方法などの知識が空っぽなわけです。

ましてや図面を見ても全然理解できません。
もちろん工事現場にも基本ルールのようなものがあるわけで、それも知らないから下手に動けません。

自分のことなので何とでも言えますが、本当に使えない人間ですね^^;

そんな私にできることと言ったら、身体を動かすことくらいしかなく、材料や工具、脚立などを運んだり、これは現場の定番ですが休憩の際に先輩の飲み物を買って準備したりしてました。

一番思い出に残っているのは「コンクリート相番」と呼ばれている役目。

コンクリート工事をする際に電気配管が流されたりしないかを見ながら建築さんのお手伝いをするという仕事で、電気工事の知識は皆無でもできます(笑)

これは良くやりました。
「兄ちゃんまた来たねぇ!」とコンクリート屋さんに顔を覚えられるくらい(笑)

でも最初は「これならできるぞ」と思える仕事はほとんどなく、「自分はこんなんでいいのか」と自問自答を何度もしてました。

そもそも正直その頃の私は現場での工事が最もやりたくない仕事でした。

前のブログにも書いた通り、まず手先が不器用なうえに工作が苦手で、一生懸命やっても普通の人より倍の時間がかかって尚且つ出来栄えも悪いのです。

せっかくの新築物件なのに、素人以下の私が作業をしてカッコ悪い配管ができあがり、それがそのままその建物の一部となることが違和感なのです。

おまけに工事現場は、夏は暑くて冬は寒い、常に快適な環境で作業ができるわけではないから体力的な負担が大きな仕事でもあります。

ですが、知識も何もない私が何かの役に立つならば、少しでも動いて作業員さんたちをサポートするくらいしかなかったなと今考えるとそう思います。

何よりその頃、今は材料や工具を運ぶことでしか役には立てないけど、図面を書くことで電気工事のサポートができるようになりたいと思いながら現場作業をやっていました。

あと当然ですが、間違った施工や行動をして随分と叱られました。
特に入社3ヶ月~半年の間は最低でも毎日1回は上司や現場の方々に叱られてました。

その頃は夏場で気温38℃、湿度80%あり、体力的にも消耗が激しく本当に過酷だった上に、何で叱られているのかも分からないこともあり精神的にも大変だった思い出があります。

ですが月日が経つと少しずつ慣れてきて、図面を見て墨を出してアンカーボルトを打ち込んだり、電線管を切ったり、配管したり、ボックスつけたり、高所作業車を運転したりとやれることが増えてきました。

そうなると視野も広がり、次はこの作業をしなきゃならないなとか、ここで作業すると危ないことなどが徐々に見えてくるのです。

ようやくキツいながらも少しずつ仕事が面白くなってきました。

こうして一年経ち、ケーブルラックや配管にケーブルや電線を入れたり敷設したりする工程の頃、現場から事務所に移動することになります。

これが私の社会人最初の一年間でした。

その当時、大学や高校などの電気科を出ている同期の方々はほぼ全員事務所で現場監督をやっており、自分だけ現場作業員(しかも見習い)でしたので、社員としての能力は一年経った時点では最低だったと思います。

しかし最初の一年間で経験した工事の手順、それを行うために必要な準備、必ず気をつけなければならない安全対策、使いやすい工具や現場加工がしやすい材料などやってみなければ分からない知識はすごく多く身につけることができました。

それと過酷な環境でも耐えることができた精神力と肉体労働である程度身体が鍛えられたのも収穫でした。

最初は不本意でも、やっている作業から学べることはあります。

もちろん雑用の中からも学べること、気づけることもあるのです。

私の一年間は一見すると無駄な時間に見えるかもしれません。

ですが、その経験を後々生かせるかどうかが重要だと思います。

今社会人1年目の方々は大変でしょうが、今やっていることをその後どう生かすのかを考えながら過ごしてみてはいかがでしょうか。

きっと今までとは見える景色が変わるのではと思います。

今回は以上です。

この話の続きは(その2)で書きたいと思います。
次回かどうかは現在考え中です(笑)

それでは今後とも弊社共々何卒宜しくお願い致します。